※令和5年5月21日編集

発達障害(ASD+ADHD)と診断されているネスケです。
以前は「受動型」強めなところがありました。

受動型タイプは
自己主張が苦手で周りに合わせる傾向があり、周りに流されやすいと言われています。
(女性は特にパートナ―選びに気をつけた方が良いとも言われています)
自分の気持ちを言語化することが苦手ですが、自分の気持ちを処理することも苦手です。
明確な指示や目的がないと、自ら行動することができない傾向があります。
このようなことが原因となり、気づかない間にストレスが溜まっていることが多いです。
さらに、発達障害の特性として『空気が読めない』というものがありますが、受動型タイプは『周りの空気を読もうと常に緊張状態』の傾向があるようです。
周りに合わせようと努力しすぎてしまう『過剰適応』は、慢性的なストレス状態となります。
他のタイプと比べて人間関係のトラブルは少ないと言われているけれど、自己主張ができないことがトラブルに繋がってしまうこともあります。
前回の記事にも書きましたが、受動型タイプは二次障害を起こしやすいとも言われています。
受動型タイプの主な特徴については、前回の記事をご覧ください。
発達障害の方は『自分の状態に鈍感』と言われていますが、受動型タイプはストレスが溜まりやすい傾向にあるため『気づいたら二次障害を起こしていた』なんてこともあるようです。

確かにネスケはストレスが溜まりやすいと思う。
人と接する時は常に緊張状態というか、「神経を尖らせている」と本人も言っている。
受動型は、他のタイプに比べると『人間関係のトラブルが少ない』と言われていますが、その特徴から本人も身近にいる人も『ストレスが溜まりやすい』ということについて書いていこうと思います。
ネスケの場合(ネスケ母の場合)として書いていくため、全ての受動型タイプの方に当てはまることではありません。
『自己主張が苦手で周りに合わせる』受動型タイプはストレスが溜まりやすい

受動型タイプは周りに合わせる傾向がありますが、ASD(自閉スペクトラム症)の特性の1つ「こだわり(固執性)」がないわけではありません。
『自己主張はできない、でもこだわりはある。』なんていうところも、ストレスが溜まる原因の1つです。

上手く言えないけど
そのやり方はしたくない、でも言えない。
もやもやとした、何と言っていいか分からない気持ち悪さがある
具体的な指示や目的がある場合は行動できるけれど、あやふやだったり目的がない場合は『どうしたら良いか分からない』ということがあります。

どのお皿を取って欲しいかを伝えていない為に、悩んだ挙句ネスケが手に取ったお皿は『醤油皿』でした。
「なんで…?チャーハンができたって言ったじゃない。」と反射的にわたしが言ったところ、喧嘩へと発展しました。

大きいお皿が欲しいんだったら、最初からそう言えばいいだろっ!
このように具体的な指示がない場合や、目的があやふやなことを頼まれた時にも強いストレスを感じます。
しかし、これはお互いにストレスを感じます。わたしも、かなりのストレスです。
毎回伝えるのは面倒くさいけれど、伝えないともっと面倒くさいことになるんです。

「これやっておいて」などの具体的ではない伝え方はしないようにしています。
具体的ではない指示でも、状況や背景(経験)によって察することが一般的かと思います。
ですがASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方の多くは、曖昧で具体的ではない指示では行動することが苦手です。(経験を重ねパターン化できている方は行動できる)
ネスケと過ごして感じていること
『いつもしていることでも伝えないと伝わらないことが多い』ということです。
いつもしていることなので「これやっておいて」と伝えても、「これってなに?どうするの?言ってくれないと分からないよっ!」というやり取りを何回もしてきました。
受動型タイプの特徴と言われていることが原因となり、ストレスに繋がってしまうということが分かります。
『自分の心身の状態に鈍感』とも言われている発達障害の特性を持つ方は、気づいたら二次障害を起こしてしまうほどのストレスが溜まっているということがあります。(特に受動型の特徴を持つ方は、二次障害を起こしやすい。)
他のタイプと比べて『人間関係のトラブルが少ない』と言われていますが、自分の気持ちを言語化することが苦手なのでストレスを溜めやすいとも言われています。
わたしとネスケの場合では、自己主張することが苦手なことが大喧嘩に発展するということが多かったです。

なにを考えているか分からないネスケの態度が、わたしのストレスになっていた。
わたしと一緒に居たいと思っているのかも分からなかった。
ただただ孤独を感じていた。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方は、タイプは関係なく抽象化して考えることが苦手です。相手の立場に立って考えることが苦手なので、相手が何を考えているかということを想像することが苦手。
自分の考えや気持ちを言語化することが苦手なので、具体的な意見や感想を答えられないことが多いです。
発達障害の方が『主体性がない』ということについて書かれているサイトを見つけたので、リンクを貼っておきます。

お義母さんやネスケと接していると、自己主張ができないことの理由の1つに、『自己肯定感が低い』ことも関係しているように思います。
受動型タイプの特徴は『基本受け身』

受動型タイプの方は、自分から人と関わろうとはしないと言われています。
基本受け身の受動型タイプの方は、とくに複数人がいる場ではストレスは倍増します。
自分の考えなどを優先させずに、周りの意見を優先させすぎて(周りに合わせすぎて)頑張り過ぎてしまう状態があるんです。
ネスケは学生時代に、周りと自分が違うという違和感を抱きつつ過ごしていたそうです。

周りに合わせようと頑張っていたと思う。
『空気を読めない』と言われている発達障害の中でも、読めないからこそ神経を尖らせて合わせようとしています。(合わせると言うより、少ない情報から読みとろうと努力している)
これは『過剰適応』と言い、自分より周りに合わせることを優先しすぎる状態です。
受動型タイプの方は、周りに合わせようと頑張り過ぎてしまい疲れ果ててしまいます。

ネスケの場合
複数人と会った日は、ぐったりとして帰宅します。
何日徹夜したの?っていうくらい寝てしまう時もあります。
基本受け身で自分の意見を言うことが少ない
積極的に人と関わらないけれど、関わってきた人を拒むことはしない。
拒むことはしない反面、人との関わり方が苦手なのでストレスが溜まってしまいます。
ネスケは受動型の傾向がありましたが、本当に嫌な時は断っていました。(ドタキャン率は高めです)
『拒むことはしない』という部分は、ネスケよりも受動型強めなのがネスケの母です。
「ちょっとそれは無理じゃない?」とわたしが感じてしまうネスケのお願いも、ネスケ母は断ることはありません。
家族が集まっている場でも、ネスケ母が自分から発言することはとても少ないんです。
発言しないのではなく発言できない
先日の話ですが、ネスケがネスケ母に対して怒鳴ってしまったことがあります。
ネスケにとって大切な話だったのですが、ネスケが「どう思っているの?」と問いかけに対してネスケ母が黙ってしまったことが原因でした。
その時のことをネスケ母から聞くと

黙って何も言わなかったから怒らせてしまった。
自分の思っていることを言葉にすることがいつもできない。
そして、ネスケがよく言っていることがあります。

自分の気持ちや考えを
言語化することができない。
気持ちや考えを言語化することができないので、発言することができないことがあります。(多々ある)
黙ってしまったネスケ母の様子は、まるでネスケを見ているかのようです。
聞かれていることに答えたいと思っていても、気持ちや考えを言語化できずに発言ができないことは多いと感じます。
言語化できないこと以外にも、『自分が発言することで相手を怒らせる』という思いも強いようです。
嫌な思いをした記憶が強く残ってしまう特性が、ASD(自閉スペクトラム症)にあります。
「また何か言ったら怒られる」と思ってしまい、発言することができないんです。
聞きたいことがあってネスケに聞いても答えてくれないとき、わたしの場合は「わたしが寝るまでに~」や「〇〇日までに~」などつけ加え、答えてくれるのを待つようにしています。
今すぐに答えが欲しい場合は、「なぜ今すぐに答えてほしいのか」理由を説明するようにしています。
理由が分かると納得してくれることもあるからです。
気持ちが表情に出にくいため伝わりにくい

ASD(自閉スペクトラム症)の方は『表情が乏しい』と言われています。
ネスケもネスケ母も『無表情』というか、基本真顔です。
2人とも黙っている時は『怒っている?』と、思ってしまうほどに無表情です。
発言は喜んでいるのに、顔は無表情なんてこともよくあります。
悲しい出来事を話しているけれど、淡々といつもと同じ表情で話すので相手に伝わらないこともありました。
自分の感情をうまく表すことができないけれど、感情がないわけではない。
色々なことを感じているけれど、言語化することも表現することもできずに相手に伝わらない。
相手に伝わらないことがストレスへと繋がります。
例えば、とても困っていることがあっても表情に出ないことで相手に伝わらない。
表情にも出ず、『どのように困っているか』の説明もできない。
「なんでもっと早くに言わなかったの!?」と、わたしは今まで何回も言ってきました。
会話では伝わりにくいネスケの感情も、LINEなどの文章ではちゃんと伝わります。

ネスケが悲しいと思った話を聞いていても、淡々と話すので深刻さが伝わらないこともあったな。
確かに表情はコミュニケーションをとる際に、とても大切なことだと思います。
嬉しい気持ちや感謝の気持ちを言葉で表すことは、もっと大切に感じます。
「発達障害の人が見ている世界(著者:岩瀬利郎)」では、『無表情』についてのポイントやお子さんの場合のアドバイスが載っています。(94ページから97ページに載っています)
人の輪に入れない

ストレスが倍増するのが、複数人がいる場に行ったときです。
ネスケの場合ですが、人と接すると分かっている前日に予習しています。
- 話す内容を決めておく
- 聞かれることを予測して答えることを決める
- 聞かれたくないことを聞かれた時のことを考える
会話が苦手だと自分で分かっていることと、不安な気持ちから予習をするみたいです。
予習することで気持ちが楽になるけれど、決めたことを『話そう話そう』と思い過ぎて失敗することも多いんです。
会話の内容関係なく、『話すと決めたこと』を話してしまうということが多々ありました。
予習することでのデメリットは、『予習していないことを聞かれるとプチパニックを起こしてしまう』ということです。
結果、ちょっと意味の分からない返答をしてしまう。
予習をして出かけて帰宅をすると『1人反省会』が始まります。
最近では、1人反省会の後は「ネスケ子聞いてくれ!」とわたしを相手に『自分の反省点と、自分の言動は正解だったのかという答え合わせ』をするようになりました。
そんなネスケが、人の輪に入れない理由はいくつかあります。
ネスケの場合は、他にもストレスにつながる原因があります。
複数人がいる場で、ネスケが発言した時に10人中2人か1人でも否定されてしまうとします。
その時、まるで10人全員に反対されたかのように落ち込みます。
1人でも否定されるとダメなんです。
認知のゆがみからくる『白黒思考』なのかもしれません。
1人でも否定されたり、反応が悪い時のネスケは「その後の話が何も入ってこなかった」と落ち込んだり、否定されたことばかりずっと考えています。
関連記事:認知のゆがみ? ~旦那と私の場合~

現在のネスケは、自分から発言することを意識しています。
けれど、ストレスや疲れは以前よりひどくなってしまいました。
「できれば人と関わりたくない」という気持ちは今も昔も変わらないようです。
トラブルが少ない受動型でもストレスはお互い多い

ASD(自閉スペクトラム症)は、いくつかのタイプに分かれています。
その他に『大仰型』というタイプもあります。
他のタイプに比べて「人間関係のトラブルが少ない」と言われている受動型ですが、他のタイプよりストレスが溜まりやすいとも言われています。
人間関係のトラブルが少ないという受動型の方がパートナーの場合、一見ストレスが少ないように思えますが『自己主張が少ない』ことからの問題がかなりのストレスになることが多いと感じています。
実際、わたしはストレスが多かった。
- 意見を求めても返って来ない
- 孤独感が強かった
- なにを考えているか分からない
こんなストレスを感じている中、わたしの言動はネスケにストレスをあたえ続けていました。
ネスケの特性を理解できていなかったことと、『伝える』ということもせず、勝手に期待をしてしまいました。
ネスケからすると、ひどい話です。
ですがこの当時のわたしは、「ネスケ、ひどい奴」って思っていました。
ネスケが発達障害ということを知っていても、今よりは理解できていなかったことが原因です。
当時に比べて現在は、ネスケ自身もわたしも発達障害の特性を理解できていると思います。
パートナーだけが理解を深めても、問題は変わらず減らないと感じています。
当事者の方が、自分の特性の理解を深めることがとても大切だとわたしは思います。
ネスケ自身も、自分の特性を理解することが大切だと感じているそうです。
受動型タイプかも知れないネスケ母の場合は、自分の意見を言えずに相手に合わせてしまいます。
そんなネスケ母に、わたしは好きな食べ物を聞きました。
聞いた瞬間に固まってしまったお義母さんは、一分ほど考えてから答えてくれました。
な、なんでも食べるよっ!
なんでも好き!
この時に「いちご好き?」や「あんこは好き?」という質問の仕方なら、すぐに答えられたのだと思います。
わたしが作ったお菓子を食べた時、お義母さんに「どう?」と聞くと。
「美味しい」「楽しい」などは返ってきますが、それ以上の深い感想や意見などは返ってくることはありません。