カサンドラ症候群~原因・夫婦の様子~

カサンドラ症候群について② 発達障害の話
私は専門家ではありません。
私が調べた事とネスケの場合を書いています。
参考程度にお読みください。
『カサンドラ症候群①』の続きとして、カサンドラ症候群の原因となると思われる『コミュニケーションの障害』や他の特性からの問題などを、私とネスケの場合として書いていこうと思います。

その前にこれは私の感じた事ですが、ASDの『積極奇異型』『尊大型』というタイプに当たる方は、モラハラと感じる言動があるように思います。

そういった部分からも、カサンドラ症候群と言われる不調が現れると私は思っています。

威圧的(高圧的)な言動をされ続けると、『何も言えない』となってくる。
そうすると、我慢し続ける事になりますよね。
ただ一つ言うと、威圧的な言動をしている時に『相手の為と思って言っている事が多い。』と感じます。「正しい事」だと思って相手に言っているんですよね。

この時は、否定も肯定もしない方がいいと私は思います。

『カサンドラ症候群①』は、症状やカサンドラ症候群になりやすいと言われている方の特徴などを書いています。
『カサンドラ症候群③』は、私が調べた対処法と、私のネスケへの対応を書きます。
その他、私の考え方が変わったきっかけと、ネスケが変わった理由などなど。

『発達障害』の検査を受ける?

『うちの旦那(家族、同僚など)は、もしかしたら発達障害かも?』って、悩んでいる方も多いと思います。

身近な方に疑いや悩みを抱えている場合、多くの方が『検査をして欲しい。』となると思うんです。
『病院に行ってほしい。』などですね。

私たちの場合は、ネスケから「俺アスペかも…。」という事を私に伝えてくれて、そこから私も疑いを持ちネスケ自身が検査を受ける決心をしていく事になったのですが…。

本やネットで調べてみると、検査を受ける(診断される)事を勧めた事で状態が悪化する場合もあるとあります。
『発達障害かもしれないから病院に行こうよ!』と言った事に対して、反発したりと関係が悪化したり、もしくは検査を受けたとしても『発達障害の診断がおりなかった』場合は、勧めた方に対しての不信感もしくは、逆に責められる、さらに今までの言動を正当化したりと、問題が出てくるともあります。

そもそも、本人に困り事がない場合は『病院に行くこと自体難しい』と私は思います。

我が家の場合

発達障害の旦那が検査を受けると決めた時

我が家の場合は、ネスケが自分から検査を受けると決めました。
私はネスケが検査を受けるとなった時に『発達障害と診断されたら良い方向へ行く!』など考えていたと思う。

診断されて何か変わったか?については、結論から言わせていただくと。
『検査を受けて『発達障害』と診断されても、ほぼ何も変わりませんでした。』

私の中では、『発達障害と診断された事によりネスケが変わる!』、『通院すればネスケが変わる!』くらいに思っていたのかもしれない。
自分を正当化したいという気持ちもあったと思う。

『診断されたからと言って、本人が気づかないと何も変わらない。』というのが今思う事です。

けれど、気持ちが楽になった部分もあります。

発達障害の特性を調べ始めた私は、『私の困りごとの原因』を知っていくと共に、少し気持ちは楽になりました。

『私のせいではなかった。』

自分自身を責めていた気持ちが楽になったという事です。

ただ私の場合は、診断されてから違う苦労(ストレス)が出来ました。
それは、日々『発達障害』について調べて対処法などをネスケに伝えても『何も実行してくれない。』という不満と、『私ばかりが一生懸命になっている。』という思い。

部屋を散らかしていくネスケに対しても『対処法を伝えても何もしてくれない。』
『私だけが考えていて、ネスケはこれだけ言っても変わってくれない。』

などなど…。

発達障害と診断されたので、ネスケ自身も『発達障害』という事を知っているはずなのに何も変わらない事に対して、診断前とは違う不満とストレスが出てきたんです。

部屋が散らかっていても困らない。
私が言えば言うほど、ネスケのストレスが溜まって夫婦喧嘩が多くなる。

お互いがストレス、疲労が溜まる日々…。
『知っているのに!分かっているのに!なんで!』という思いでいっぱいでした。
【診断されて良かったと私が思う事】
・自分自身(私自身)を責めていた部分が、私のせいではなかったという事が分かり気持ちが楽になった。

・ネスケ自身が(発達障害という事を)自覚する事ができるきっかけになった。

・頭ごなしに「ネスケ子が悪い!」という所が減った。
(ネスケが「俺が違うのかもしれない。」と思う時が出てきた。)

・性格ではなく、「障害」と言われた方が前向きに考える事ができた。

【診断された事で出てきた問題】
・ネスケが必要以上に自信がなくなってしまった。
(二次障害へ繋がってしまうほどに。)

・ネスケが人と接する事を必要以上に避けるようになった。

・診断されたからと言って、大きく変わるというわけではないという事が『新たな悩みや不満へと繋がった。』

上手く言えないのですが、ネスケに感じている私の困り事が「性格」だったとしたら、私は今一緒にネスケといる事はなかったと思っています。
なので、この部分は診断されて良かったとは思っています。

どんな事がカサンドラの原因となっていく?

『カサンドラ症候群について①』にも少し書いてはありますが、私の場合としていくつか書きます。

コミュニケーションを上手く取れない事が一番の原因だと思いますが、他にもこんな事があります。(あくまでも私の場合の困り事)

・会話が噛み合わない。
(すぐに理解する事が苦手、話が逸れる、興味がない事はあまり聞いてくれない、急に黙って無視されていると思う、話した事を忘れるなど)

・マイペースと感じる。
(出かける時間になってもどこかに行ったり何かをし始める、自分の事を優先させるなど)

・急に怒る。
(些細な事で激しく怒る、怒るポイントが分からない、物に当たる時もある(メルトダウンなど)、一度怒ると落ち着くまで時間がかかる)

・私の事に興味がないと感じる。
(私が体調が悪くても自分の事を優先させる、私との約束を忘れる、私との予定より自分の予定を優先させるなど)

・整理整頓ができない・片付けができない。
(片づけても片づけても、すぐに散らかる部屋。失くし物は多いし、忘れ物も多い事が日々のストレスになる。)

などなど…。もちろん他にもあります。

他にも金銭感覚の問題などがある場合もあります。
計画的なお金の使い方が出来ないという方もいれば、逆にケチとも思えるほどにキッチリとした方もいます。(我が家は後者)
中には経済DVとも思える状態の方もいるようです。

 『過集中』には孤独を感じる

過集中の旦那と話が出来ない寂しい

『過集中』の時は、話しかけても答えてくれない。

熱中している時に中断されると、パニックを起こすこともある。
パニックからの怒りというのも多いので、私が話しかけたことによって作業などを中断させてしまったことにより喧嘩になるという事も少なくないです。

ネスケと同じ部屋にいるのに、独りと感じてしまうんです。
話しかけても

『ちょっと待って』と言われる。

この言葉は寝るまで続く。
結局、話したい事を話すことなく寝る。
2人でいるのに『独り』と感じる原因の1つです。

 すぐに理解する事が難しい事が原因?

伝えたい事が、うまく伝わらない。

『あれ?どうしてそうなった?』と、会話をしている時に上手く意思疎通ができませんでした。

私はこれを「ネスケ特殊変換機能」と言っていますが、特殊という言葉が出てくるほどに『なんで?なんでそうなった?』という受け取り方をされる事が多いです。

変換して受け取る発達障害の旦那

こんな感じに「どうしてそうなった?」と思ってしまう捉え方が多い。
この時のネスケの頭の中で、こんな連想がされていた。

変換して受け取る発達障害の旦那

私が伝えたい事とは違う捉え方をしていたネスケ。
上手く伝わらないという事から、コミュニケーションが取れず『もやもや』が溜まっていく。
伝えたい事とは違う捉え方をされると『そうではない。』という説明も付け足すので、会話をスムーズにする事が難しいです。

『コミュニケーションの障害』と、特性から『認知のゆがみ』などが絡み合っているのかな?

私もかなりのストレスを感じますが、逆にネスケもかなりのストレスを感じる。
ネスケは、ストレスからパニックを起こし、パニックから怒り(攻撃)という状態に…。

『伝わらない』原因を『私の伝え方が悪いんだ。』と、自分自身を責める事へと繋がってしまう。これもカサンドラ症候群になってしまう理由の1つだと思います。

 「共感」する事が苦手?

共感する時

一緒に居たい人、一緒に居る人に共感してもらいたいと思いませんか?

私は、共感してもらいたいです。

ですが、ASD(自閉症スペクトラム)の特性に『共感性が乏しい』というものがあります。
共感を得られないという所から、パートナーに理解してもらえないと寂しく感じる事もあります。

ですが、この『共感性が乏しい』というのは全く共感で出来ないという事ではありません。
『乏しい』、『苦手』という感じです。

共感性が乏しいというのは、身近な人や他人の感情と同じ感情が起きるという『経験の欠如』というものだと書いてあるサイトもありました。
私が以前書いた記事に少しだけ似たような内容の物があるので、リンクを貼っておきます。

共感を得られないというのは、カサンドラ症候群の原因では必ず出てくるものです。
悲しい出来事があった時にも、「悲しい」という共感を得る事が出来ない時は余計に悲しくもなりました。

背景・状況が読めない事が原因?

ネスケと喧嘩の原因などに、『背景・状況』というものが抜けている時が多いです。

私の言動に対してネスケが怒っている時も、『背景があって、この状況からの言動だよ。』と説明しても『それとこれとは関係ない。』と言われる事がとても多い。

例えばの話

例えば、前日にネスケの手伝いをして、ネスケに頼まれた用事をして、今日は仕事が忙しかったので疲れているし、自分のやりたい事もある私。
そんな背景と状況があった時にネスケに用事を頼むと…。

「今は無理だよ!作業してるの分かんない?
疲れているし、無理!」

など、言われると「昨日私は手伝ったじゃない!私だって疲れていたのに!」なんて不満は当然出てしまう。

手伝っても手伝ってくれない発達障害の旦那

手伝っても、手伝ってはくれない。

他にも『体調が悪い』という時にも、気遣ってくれることがない。

これは、背景・状況に『気づいていないだけ』だと私は思います。
ネスケが気づいていないと思った時や、不満を感じた時に「背景・状況の説明」をしています。
時には喧嘩へと発展する事もありますが、少し落ち着くと理解してくれるので説明し続けています。
(最近は面倒な時が多いので、よほどしんどくない時は自分でします。)

背景と状況が分かってくれないという事が原因で、「私の事が心配じゃないの?」とか「私はどうでもいいの?」なんて思った時が多かった。

周りの人に分かってもらえない

カサンドラ症候群周りの人に理解してもらえない

カサンドラ症候群は『コミュニケーションの障害』などから『自信喪失』、『理解してもらえない』など精神的に追い込まれてしまうのが原因と言われています。

その他にも原因と言われている事があります。
カサンドラ症候群の語源というか、由来というかがあるんですが。

カサンドラというのは、ギリシア神話に登場するトロイの王女の名前である。太陽神アポロンに愛されたカサンドラは、アポロンから予知能力を授かる。しかし、その能力でアポロンに捨てられる未来を予知したカサンドラは、アポロンの愛を拒絶したので、怒ったアポロンに「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけられた。カサンドラは真実を知って伝えても、人々から決して信じてもらえなかった[9]
引用元:Wikipedia

『カサンドラ症候群』は、正式な病名ではありません。
病気として確立していないのです。
なので、診断基準も定められてはいません。

今まで書いてきたような『コミュニケーションが取れない。』などの相談を周りの人にしても

『男ってみんなそうだよ。』などと言われて、ここでも理解してもらえない。
(私はそうだった)

なんか微妙に伝わらないの。
周囲の理解も得られず『やはり自分に非があるのでは?』となる。
(私はそうだった)

身近な存在であるパートナーからの共感も得られず、周りの人からの共感も得られずに、自分を責めて、さらなる孤独を感じる。
人に話をして発散させたり理解してもらうという事って、自分の気持ちの整理にもなるしストレス発散にもなります。

なのに、誰かに相談をしても共感を得られない、理解してもらえない。
相談したのに、もっと自分を責める原因になるような事を言われる。
相談をすればするほどに、もやもやが溜まっていくんです…。

カサンドラ症候群になるひとには『責任感が強い人』、『真面目な人』が多いと言われています。

相手ではなく、自分を責めてしまう人が多いのです。

カサンドラ症候群について②まとめ

発達障害の特性を持つ旦那ネスケとの生活に、私は困り事を感じていた。
喧嘩も多くなっていく中で、発達障害と診断されたネスケ。

何かが変わると思ったけれど、変わる事はなかった。

私が感じていた困り事は、私だけが感じていたからです。

何かに対してネスケが困り事を感じたとしても、「あの人が悪い。」「ネスケ子が!」など周りのせいとネスケは感じていた。

私の困り事をネスケに伝えたとしても「なんでそれで困るの?俺は困らないよ?」などなど…。

ネスケにも私の困りごとを理解してもらえず、友達に相談したとしても理解してもらえない。
そんな事が続くと、「自分が悪いのかもしれない。」、「私のせいなんだ…。」となっていく。

家にネスケと2人でいるのに孤独を感じる。

そんな日々が「カサンドラ症候群」と呼ばれる状態へと、繋がっていったのだと思います。

私だけが頑張ったとしても、不満が募るだけ。

今の私が言えることは「お互いが受け入れる」という事が大切なんだと思います。

例え本人が「困り事」を感じていないとしても、パートナーもしくは身近な方の「困り事」に気づくことが大切。
その「困り事」を受け止め、受け入れる。

気づいていない時、気づいたとしても、なかなか難しい事だと思います。
気づいた時に自分を責めてしまう事もあるかもしれません。

ネスケが診断されて「発達障害」を受け止め、受け入れるまで、とても時間がかかりました。
「俺は普通じゃないんだ…。」と喧嘩の時に叫ぶ時もありました。

自分の特性を自覚し始めた頃から、対策や工夫などをしようと努力する姿を見て、私も応援したいという気持ちになった。
なので、2人で話し合う事も出来るようになったのだと思います。

当たり前の事だと思いますが、1人だけが頑張っても「何とかしよう。」と思っても何も変わらない。

『カサンドラ症候群について②』も長くなってしまったので、『カサンドラ症候群③』に続きます。
「対処法」として挙げられていることや、私がネスケと接している中で変わってきた事などを書いていこうと思っています。

『カサンドラ症候群①』は、症状やカサンドラ症候群になりやすいと言われている方の特徴などを書いています。
『カサンドラ症候群③』は、私が調べた対処法と、私のネスケへの対応を書きます。
その他、私の考え方が変わったきっかけと、ネスケが変わった理由などなど。