発達障害の過集中は本人も妻もしんどい

過集中の旦那 発達障害の話

私は専門家ではありません。
ネスケの場合と私が調べた事を私なりにまとめて書いています。

参考程度に読んでください。

※この記事は、2022/05/23に更新されました。


ネスケ
ネスケ

発達障害(ASD+ADHD)と
診断されているネスケです



ネスケ子
ネスケ子

妻のネスケ子です
私たちの紹介はコチラ



ネスケは、『集中しすぎる』ことが多々あるんです。
集中しすぎている時のネスケは、次のような状態になり困りごとが出てきます。

  • 集中しすぎて時間を忘れる
  • 集中しすぎて飲食を忘れる
  • 集中している時に話しかけると怒る

  • 集中している時は他のことに手がつかない

    などなど…。

ネスケは『過集中』になると、ご飯も食べず、寝ずに朝まで止まらないことは珍しくない。

『過集中』とは、過剰に集中している状態です。



ネスケ子
ネスケ子

ご飯も食べないし、朝まで休まずパソコンに向かっていると本当に心配だよ。


『集中力がある』というのは少し羨ましいとも思うけれど、集中しすぎるのは困りごとが多い。

今回の記事は
  • 『過集中』の大まかな説明
  • わたしとネスケの困りごと
  • わたしが心配している『虚脱状態』


ネスケ子
ネスケ子

それではそれぞれを詳しく書いていきます。


過集中とは過剰な集中状態

発達障害の旦那過集中
過集中状態になると時間も忘れて朝まで続く

旦那ネスケは、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されています。

ASD、ADHDと、どちらの特性でも困りごとは多いです。

その困りごとの1つが『過集中』。

  • 過集中に入ると朝までずっと集中
  • ご飯も食べずに集中
  • 寝ずに集中
  • 他のことは目に入らず集中
  • 話しかけても返事がない
    もしくは、キレる

過集中に入ると、睡眠不足、ご飯は食べないなどの困りごとがあります。

他にも、話しかけると怒る。
喧嘩になることも当然多くなります。

ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)のどちらにも、『過集中』が起こるようです。

ASDとADHD
『過集中』

  • ASD(自閉スペクトラム症)
    興味関心があること、こだわりがあることなどに強く集中してしまうことがある。
    こだわりが続いている状態で、同じことを続けていることに安心できることなどからASDの『過集中』は、長時間続くと言われています。

  • ADHD(注意欠如・多動症)
    目の前の楽しいことや、好きなこと興味関心があることに対してハマりすぎて辞められなくなる。
    その楽しい事などに対しては、とても集中できる。

ネスケを見ていると、ゲームなどの好きなことに対して集中しすぎている時はADHDの過集中。
スイッチが入ったように1つの作業に集中しすぎている時はASDの過集中。

上手く説明できませんが、わたしはそう感じています。


なんというか、ゲームなど好きなことに集中している時は『依存みたい』とも感じます。この部分は、ADHDの過集中。

苦手な掃除などをしている時でも、スイッチが入ると細かいところを集中してきれいにしています。
例えば、お風呂掃除でもスイッチが入るとタイルの細かい部分まで磨き始め、気づくと1時間以上経過している。という時もあります。

スイッチが入るというのも、なにかにこだわってしまうというか上手く言えませんが、こういう時はASDの過集中。ということを、わたしが勝手に思っています。

わたしが勝手に思っているだけなので、正しいかはわかりません。

  • 過剰に集中しすぎる状態
  • 飲食や睡眠をとらずに集中してしまう
  • 全てのことに集中できるわけではない







ASDとADHDの過集中に妻が思うこと

ASD、ADHDのどちらの過集中も『興味関心がないこと』には集中しない。

  • ASD(自閉スペクトラム症)の場合は、『自分がやりたいことだけをしていたい』そんな感じです。

    同じことを続けることへの安心感や、いつもと同じことをするという安心感がある。
    変化に対応することができず、同じことをやりつづけることができるのは、1つのことに没頭できるとも言えます。


    『(限定されたことへの)こだわりが持続している状態』とも言えます。

    興味関心があることを追い続け(深く追求)特定の知識や技術を身につけることができることが強みとも言われています。

わたしは、過集中などの発達障害の特性のメリットなどを目にする度に思うことがあります。

ネスケ子
ネスケ子

ネスケの興味関心が(過集中)
仕事に繋がること向けばな~

ネスケ
ネスケ

俺だってそう思うよ。

けど今は作業に没頭することができている。

上手くハマればいいんだよね。



同じやり方、同じことではない状況になると、強い不安感からパニックを起こすことがあります。
そのパニックは、怒り(攻撃)として表れることもある。




  • ADHD(注意欠如・多動症)の場合は、『目の前の楽しいが優先』という感じです。

    ADHDの特性と聞くと、集中力が持続せず気が散りやすい。
    ですが、好きなことや、やっていて成果を感じること(成果が実りやすいこと)などには集中しすぎてしまう。

    ADHDの方は、ドーパミンなど神経伝達物質が不足している(枯渇している)ことから、脳が正常に機能しなくなってしまう。
    そのため、「実行機能障害」が起こったり「脳内報酬系の障害」が現れます。

    脳内報酬系の活性が低いとされるADHDの方は、刺激が少ないことなどにやる気が出ないし、不注意からミスが多くなります。

    ADHDの過集中は、好きなことや成果を得られることをして脳内報酬系機能を活性化させようとするために過剰に集中(過集中)してしまうと考えられています。
ネスケ子
ネスケ子

好きなことだけやっている姿は
どうしても「自分勝手だな」って
思っちゃう。
他のことにも目を向けてほしい。


ネスケ
ネスケ

俺だって他のことにも集中したいよ。

だけどストレスが溜まると達成感を得られるモン○トに没頭しちゃう。

ネスケ子
ネスケ子

あ~確かにいつも
「達成感を得られるから」って
モン○トしてるよね。



ゲームが止められない 過集中 発達障害の旦那
いつまでもゲームをしている発達障害の旦那「途中で止めることができない」

いつまでも「ちょっと待って」が続く。




本人と身近な人の『過集中』からの困りごと

過集中に関しての困りごとは、いくつかあります。

その困りごとは、本人はもちろんのこと身近な方にとっての困りごとでもあります。

過集中の困りごと

  • 日常生活に支障が出る
    『食べる、飲む、寝る』ということを忘れてしまうほど集中する。
    水分不足や栄養失調に注意なんていうことも目にします。
    それほど過剰な集中になります。


  • 感情的になりやすい
    過集中状態になっている時に、話しかけられたりすると『邪魔をされた』となりキレることが多い。(ネスケはめちゃくちゃキレます)

  • 虚脱状態
    過集中が続いた後に虚脱状態に陥ることがあります。
    ネスケの場合は、少なくて2日、長く続く時は1週間ほど虚脱状態になります。
    ひたすら寝る、やる気が起きないなど。


  • なかには倒れてしまう方も
    水分不足、栄養失調、睡眠不足などから気づいたら倒れてしまうなど重症化する方もいるようです。
    発達障害の方は、自分の状態に気づきにくい。

過集中に入ると、切り替えが難しい。

飲食を忘れるほどに集中してしまうし、睡眠も忘れるほどです。
睡眠不足などから精神的にも不安定になります。

ネスケの場合ですが、認知のゆがみもひどくなります。

そして、集中している時のネスケは自分の状態に対して鈍感。
(発達障害の特性を持っている方は、日常的に自分の状態に気づきにくい)

  • 疲れていることに気づかない
  • 時間感覚が弱い
  • 心身の状態に気づかない

自分が疲れていることに気づかないので、いくらでも集中できる。

時間の感覚が弱いからか、集中してから何時間も経っていることに気づかない。

脳がオーバーワークを起こして、疲労が溜まっていることにも気づかないまま集中し続ける。

この状態が続くことで、体調を崩してしまう。




過集中の時に話しかけると怒る

過集中の旦那と話が出来ない寂しい
「過集中」の時に話しかけると感情的になりやすい発達障害の旦那

ネスケが『過集中』状態の時に、話しかけると高確率で怒ります。

怒るというより、感情的になりやすい。

ネスケ子
ネスケ子

ちょっと話しかけただけで

なんでそこまで怒るの⁉

  • 途中で止められない
  • 邪魔をされたと思う

集中していることを途中で「止められない、止めたくない」という気持ちから、話しかけられると「うるさいっ!」などと感情的になってしまう時もある。

ネスケの場合、集中している時に話しかけると「ちょっと待って」と言いつつ朝になる。

集中していることを「邪魔をされた」という気持ちになって、感情的になることもあります。

話しかけるということ以外にも、音などに対してもイライラするようです。

わたしが話しかけたことによって、ミスなどしてしまうとわたしが攻撃されることもある。

怒るというより『キレる』という表現の方がしっくりきます。


妻がしている対応
  • 極力話しかけない
    基本話しかけないが、飲食を忘れるので声かけは適度にする。

  • 用事がある時はメモ書きして渡す
    付箋などに書いてネスケの目に入るところに貼るなどしています。





『過集中』の後には虚脱状態になる

疲れやすい発達障害の旦那ネスケ
「過集中」の後は虚脱状態になって、やる気もなくなり寝続ける(燃え尽きる旦那)

過集中の後には、虚脱状態が来ます。

過剰な集中が終わり、反動のように何もできない状態が来るんです。

まさに『燃え尽きた』という言葉が当てはまる。

ネスケの場合、過集中の時にはかなりの睡眠不足です。
睡眠時間が1、2時間で仕事に行き、帰宅してもまだ過集中の時もあるし、睡眠時間が0の時もありました。

そして、その後の虚脱状態はどのくらい続くか?

2日~長くて1週間ほど続く時もあります。

虚脱状態(ネスケの場合)

  • めちゃめちゃ寝る
    睡眠時間が10時間以上になります。

  • ぼーっとする時間が増える
    やる気が起きない状態が続きます。

  • 精神不安定になる
    疲れなどから精神的に不安定になり、感情的になったり認知のゆがみもひどくなる。
  • 最近わたしは、ネスケの睡眠の記録をしているのですが、その記録を見ただけで「いつ過集中になったか、虚脱状態がいつまで続いたか」が分かります。

  • 過集中状態の時のやる気が嘘のように、虚脱状態になると一気に何も手に着かない。

  • 過剰な集中状態の疲れから、精神的に不安定になります。
    認知のゆがみもひどくなるので、少しのことで怒ったりネガティブ思考がひどくなったりします。


妻がしている対応
  • 寝られるだけ寝させている
    起こさなければいけない時は起こすけれど、寝られるだけ寝させて放置しています。


  • 不安定な時には距離を置く
    疲れがある程度とれるまで不安定な状態は続く。そんな時は喧嘩になることが多いのでお互いのために距離をおいています。接する時間を減らすようにしています。

ネスケが寝続けるまでの様子の記事

★旦那が寝て過ごす日まで…。こんな感じ。




『過集中』の対策と妻がしている対応


過集中の困りごとは、本人はもちろんですが身近な人にもあります。

よく「過集中」のメリットとデメリットを目にする事がありますが、ネスケを見ていると今のところメリットは少ないと感じます。

わたしにとってのメリットも、今のところないと言っても過言ではない。

ネスケの虚脱状態は、わたしにとってストレスを感じることが多いです。

ただ、ネスケの『過集中』がガチっと何かにハマれば強みになるとは思います。

好きなことや興味があることへの探求心が強くあるので、いい方向にガチっとハマる事を期待しています。

  • ASDの『過集中』は、同じことをやり続けることが苦ではない、同じことをやり続けることに安心感を得ることができる。
    興味関心があることによっては、極めることができることもある。

  • ADHDの『過集中』は、好きな事などに集中することによって精神状態を保つことにも繋がる。
    日々のストレスを緩和することにも繋がる。

ADHD(注意欠如・多動症)の特性もあるネスケは、好きなことなどに『過集中』状態になることは自分の精神状態を保つことにも繋がります。

発達障害の特性から、日常生活を過ごすうえでのストレスはとても強い。
そのストレスからの解放が、『ADHDの過集中』なのではないか?と、わたしは感じています。

ネスケがしている対策
  • 時間をある程度決めてアラームをかける
  • 1日ごとのある程度の予定を決める

アラームが鳴ったからといって、すぐに手を止めることはできません。
ですが、集中しすぎて時間を忘れた状態から『時間に気づくきっかけ』となり、手を止める準備ができるみたいです。

1日の予定を決めるのも、自分で他にすることがあるということを意識することができる。

以前よりは、『過集中』から脱することを意識することができています。


妻がしている対応
  • 適度な声かけ
  • ネスケが決めた予定を通知する

飲食を忘れてしまうネスケの『過集中』。

  • 「水分摂った?」
  • 「ご飯は、○時に食べよう。」
  • 「休憩がてら風呂に入って。」

適度な声かけをしています。
本当に「声をかける程度」です。

会話だと「邪魔」をしていることになって、感情的に声を荒げて喧嘩になってしまうことがあるからなんですが。

ネスケがある程度決めた予定を、共有カレンダーアプリに入力して通知がくるようにしています。




発達障害の過集中は本人も妻もしんどい【まとめ】

『過集中』とは、過剰な集中状態

集中しすぎる状態は、当事者の方はもちろんですが身近な方にも『困りごと』が出てきます。

  • 日常生活に支障が出る
  • 感情的になりやすい
  • 虚脱状態
  • なかには倒れてしまう方も


過集中が続いた後には、体調を崩してしまったり、虚脱状態が何日か続く方もいます。

発達障害の特性を持っている方は、自分の状態に気づきにくいことが多い。
ある程度の対策は必要だと思います。

過集中の対策としては、自分の感覚ではなく時間で区切ることが良いようです。

  • アラームをかける
  • 声かけをしてもらう
  • 予定をある程度決める

アラームが鳴ったとしても『キリがつかない、予定より遅れている』などの場合は、次の時間まで(アラームをセットした時まで)続行することも良いかと思います。

ネスケは、キリがついていないのに作業を止めると『気になって休めない(気になって気持ちが悪い)』と気が休まらない。

なのでその時はアラームが鳴っても作業などを続行し、次のアラームの時には絶対に休むということを決めることが大切です。

自分の状態に気づきにくいと『疲れにも気づかない』ということになります。

わたしが読んだ本には、当事者の方自身がチェックシートを作成して『自分の疲れを知る』という方もいました。


以前のわたしは、ネスケが過集中になっている時に不満がたくさんありました。

  • 話ができない
  • 孤独だった
  • 寝てばかりでイライラ
  • 自分のことばかり優先していると感じていた



話したいことがあっても『話ができない』、部屋に2人でいるのに『1人の時間を過ごすネスケ』、虚脱状態で寝てばかりいるネスケを見ているだけでイライラする、自分がしたいことだけをしているネスケ。

毎日毎日、不満がいっぱいだった。

現在は、『過集中』に対してわたしなりの関わり方をとることによって、話をするタイミングが分かって来たり、虚脱からの長時間の睡眠がくることも分かるようになった。

頼みたいことは虚脱が来る前にメモ書きをして渡して「これだけはやっておいてね。」と伝えています。

話したいことがある時も、前もって「話したいことがあるから、ご飯の後に聞いてね。」など伝える事ができています。

上手くいかない時もありますが、以前のイライラは減りました。

先のことは分かりませんが、今の状態が続けばいいなと思います。